抗鬱剤





児童精神科の先生とお会いするのは随分久しぶりのことでした

最後にここを訪れたのは就学前

小さい頃を知ってくれている先生の存在は

不登校の闇の中でどうしていいかわからない私にとっては最後の砦でした



外出したがらない息子を何とか車に乗せて診察に向かいます

車で2時間近くかかりますが、途中休憩をはさみながら

息子とちょっとした小旅行気分

こんな遠くまで来ると知っている人にも会いませんから

息子も表情が緩んでいきます

カードを買って、好きなものを昼食にとり

リラックスして先生と向き合いました



息子は自分のしんどさを、先生の質問に答えながら

ぽつりぽつりと話しています

頭痛、腹痛があり、脚痛そしてふらつき

身体全体が重くしんどい



そんな息子の診察の様子を同じ部屋で私も見ていました

しばらくして先生は「お母さんとお話ししたいから廊下で待ってくれるかな」

と息子に伝え、息子は一人出て行きました



先生は意外な言葉から話はじめました

「僕がこの子につけた診断、広汎性発達障がいという診断は

気の迷いだったかも知れない、そう思うくらい今のこの子は成長しましたね」

一瞬先生が何を言わんとしているのか、わかりませんでした




発達障がいは無かったのですか?

いいえ・・・


障がいが個性に同化してみえるほどに、今の息子が成長したと

久しぶりにあった先生には感じられたのでしょう

そんな風に感じてもらえることは

一緒に彼と歩んできた私にとっては、何よりも嬉しいことです

ですが、決して手放しで喜べない

学校に行けないという現実・・それは成長を喜ぶ以上に辛い現実でした



障がいが息を潜めたというのに、今度は不登校という闇の中


どうしてこんな辛い道ばかりこの子は歩いて行くのか

いえ、歩かせてしまったのか・・




先生は言います

「身体の症状からみて小児の鬱だと思います」

抗鬱剤と頓服の安定剤が出ました


他の小児科などで出る薬と違い、こういう薬には確かに抵抗があります

でもこの先生への信頼と、今の息子のしんどがる様子

学校に行けない状態などを集めてひとまとめにすれば

薬を飲ませてみることが間違いだとは判断出来ません

ネットの膨大な情報からは息子にアタックできる実際の方法など

探し当てることがまだまだ出来ずに

でも何とかしたい、しなくてはと苦しんでいましたから・・





本当ならゴールデンウィークが明けて、学校で友だちと会い

ワイワイ騒いで走り回る笑顔の少年のはずなのに

こうして車の後部座席で横たわり

ぐったりしている様子を背中に感じている今

目の前に広がる美しい青い海も、光り輝く風景も

全てがただ通り過ぎるだけの

何の感動も生まない壁でしかない



一刻も早くこの虚しさから抜け出し、そして

もう一度、息子に光り輝く笑顔を取り戻してやりたい

この診断を受け入れて治療し

もう一度、秘密基地を作って汗をかいて走り回る

あの頃の、元気な姿に戻してやりたい






でも、抗鬱剤という薬は、想像以上に重く

それからの私を行き先の無い迷路に追い込んで行きました



何の疑いもなく「飲ませて」と大きな口を開ける息子

その口に白い薬を入れる私は、迷路に無理やり自分で出口への矢印を刻み

安心しようとしました・・出口など到底見えてはいないのに・・


私は自分の進んでいる矢印が、ただ、確かな意味もわからぬままに

自分で刻んだものであり、同じ迷路をぐるぐるとまわり続けていることに

いずれ少しずつ少しずつ気づき

認め、苦しんで行くことになりました



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No title

私も登校渋りのお子さんを持っているお母さんから勧められ、ホメオパシーを行っている病院や身体の「気」の流れをみながら漢方の治療を行っている病院へ出かけたことがあります。

「この薬で本当に不登校が治るのだろうか。この子の弱さが克服できるのだろうか。」と疑問を持ちながら…。

これらの病院を紹介してくれたお母さん方には感謝しつつも、
「渋りながらも登校する。あのお子さんたちと次男とどこに違いがあるのだろう。私よりもあのお母さんのほうが過保護なのに、どうして二男は完全に学校に行けなくなってしまったんだろう…。」いろんな思いが頭の中をかけめぐっていました。

何かにすがらずにはいられない。
どうすれば元の元気な二男になり、学校にいけるようになるのか、考えずにはいられない。
そんな毎日でした。

今は毎日「腹減った~。」と帰ってくる二男。
日にやけて、中学入学当初に比べ体力もついてきたようです。
あのころの苦しみを無駄にしないよう、これからも学び、努力していきたいと思います。
お互いに頑張りましょうね。

かのんさんへ

次男くん、毎日「腹減った~。」ですかe-454日に焼けてどんどん中学生らしくなってきますねe-420楽しみ楽しみ~
不登校の頃のまるで元気のない本当に悲しい姿を知っているから、今の姿がより嬉しいですねe-441
かのんさんの言うとおり、あの苦しみを決して無駄にしないよう日々大切に思春期に向き合っていきます!
いつも、応援ありがとうございますv-22またきてくださいね~v-353
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プロフィール

くるみ みるく

Author:くるみ みるく
小5の終わりから始まった体調不良、そして不登校。
学校に行くというあたりまえに思っていたことが、これほど大変なことだったとは・・・。
復学支援をうけ、もう1度歩き始めた子どもを応援して行くために親はどう接していくのがよいのでしょうか。
学び続けることで見えてくるものは何でしょうか。

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