息子の要求と走り回る犬



夏休みが明けて一週間が過ぎました

次男は長い道のりをまた通い始めました

それは当たり前のように始まった事でした

2学期の始まる数日前に散髪に行って

長くて膨れ上がった髪を切り

しつこく湧いてくるニキビ面もこざっぱりと剃ってもらい

一本化していた眉毛もそれぞれに独立させてきました(笑)


学校では9月に入るとじきに文化祭と体育祭が一緒になって4日間あります

そこでクラス毎に工夫を凝らした発表があるようですが

彼ら高1は面白映像をするようで

夏休み中、何度か撮影がありました


息子は編集の仕事に関わるらしく

撮影には関係ないからと

夏休み中のそれには深く関わっていない様子でした


2学期も始まり撮影も終わり

そろそろ編集の仕事が回ってくる頃かと思っていた夜

息子「撮影に出ることになってスーツがいるわ」と言ってきました

母「撮影に出るの!(まさかの出演!)スーツがいるの・・スーツ・・」

息子「そう」

母「お兄ちゃんのは家にないし、お父さんのは大きすぎるし・・」

息子「・・・」

母「いついるの?」

息子「出来えば明日、いや、多分明日いる」

母「明日・・」



いつも話をすることのない息子が話し掛けて来ると

こういうことです(涙)



待て暫しの無い問題は

それでも向こうは言ったことで全ての責任の半分を

いえ、もっとたくさんの部分をこちらに移動させていて

本当は息子の問題なのですから

そんなに沢山の部分を私が受け取らなくてもいいのでしょう


ただこうやってぼそっと呟かれると

私は止まっている脳細胞の奥の奥にまで指令を出して

何とかスーツのありかを探し当てようとするのです


私はやっぱり次男の前では

しょぼくれた見捨てられた野良犬で

ちょっと優しい視線を投げかけられたら

ホイホイと尻尾を振ってしまうんです

ただ、それを悟られないように精一杯の虚勢を張って耐えているんです


短くて暗い私の脳みその中を

次男の召使いと化した老犬が走り回ってスーツを探していました



そして、もう全く眠っていた暗闇に

一組の紺色のスーツを探し当てました



今年の初めに父が亡くなり

そのあと父の遺品を整理していた母に

比較的綺麗なスーツとコートを

クリーニングに出しておいて欲しいと頼まれ

家に持ち帰ってきていました

しかしその後電話があり

やはり、もう捨てて欲しいと言われたものでした

「わかった」と返事をしたけれど捨てられなかったスーツ



老犬は脳みその片隅のそれを引きずり出して

陽の当たる場所に出し

次男に手渡しました

母「お爺ちゃんの着ていたものだけど、これなら使っていいよ」

息子は暗い部屋で耳にイヤホンを突っ込んで

スマホを弄っていましたが

すぐに椅子から立ち上がり広げた背広に手を通し

半パンの上からズボンを履きました



息子「うん!これでいい!!」



腰はブカついていましたがベルトで絞めると言いました

紺色で薄い縦じまのスーツには

元気な頃の父が隠れているようでした


それを全て引き受けるように

息子は背広の裾をグッと引き下げて

「うん、これでいい!!」って満足げに笑っていました


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紺色のスーツを着た映像を
何だか見てみたいな



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大切なことが胸にストンと落ちる時



夏休みも後半ですね

次男の夏休みは三男よりはるかに短く

残すところ一週間になりました


宿題で、「オープンキャンパスに行ってその感想を書く」

ということが出ているようで

8月の初めに友だち3人で出掛けて行きました


私はオープンキャンパスに行くということは聞いていましたが

詳しいことは何にも言わないので聞かずにいました


当日の朝「駅まで送って欲しい」と言われ

送る車の中で尋ねてみると

「10時の電車に乗ることしか知らない」って言います

3人で行く中の

一人が知っているから大丈夫だって

その子にオンブニダッコ状態です

場所も、始まる時間も、とにかくな~んにも調べていません

さすがに車の中でスマホで検索していましたが・・


息子「お金くれないん?」

母「お小遣い沢山持ってるやん?」

息子「足りないかもしれやんし」

彼の財布には誕生日の臨時収入を含め

諭吉様が何名かいらっしゃることを存じ上げております

(そのうち何名の諭吉様を連れて行くのかは知りませんが・・

一人連れて行くだけで十分に往復して食事も出来ますけど・・)

息子は中学3年の時に模試を受けに行って

家に帰る電車を間違え

10分で帰れるところを4時間以上かかったことがあります

その時の教訓として

「お金さえ持っていれば間違えても帰ってこれる」と残ったのか・・


十分にお小遣いを持っているのに、それでは不安だと言います


オープンキャンパスの場所まで2時間以上かかるし

電車の乗り換えや、バスにも乗らなければなりません


息子の力だけでは一日あっても辿り着けないでしょう(笑)


「友だちとはぐれないようにしっかりくっついて行きなよ」と

泣く泣く一葉さんを手渡して

「ICOCAはチャージしないと残金少ないからね」と教えると

「チャージのやり方がわからないから車を止めて来てくれない?」

と私に頼んできました(盗人捕まえて縄を綯うとはこのことだよ~


「駐車場に入れてたら10時の電車に間に合わないし

わからなければ駅員さんに聞けばいいよ!」

と、こちらの心配を悟られないように軽く言うと

(こっちのドキドキを不安がっている息子に伝染させてはいけませんし)

「・・わかった」と言って戸惑いながらも降りて行きました



本当はめっちゃ心配だったけどね

オープンキャンパスの場所も、行き方も

何にも調べていないし・・

自転車通学の息子は切符すら買ったことがないし・・

チャージも初めてだし

人ごみで友だちとはぐれたらたらどうするの

・・・なんてことをね・・・ただ、ここは日本

たどたどしいけど日本語話せるしねぇ・・何とかなる!



失敗を経験にするチャンスだね

行ってらっしゃい

どんなに迷っても、帰って来れるさ!・・たぶん・・



その日、息子が送った駅に帰って来たのは夜の9時前でした

駅の階段を下りて車を見つけると

ちょっと下を向いて笑いながら(何?この笑顔は・・)

乗り込んで来て

さすがに疲れたように後部座席でぐったりしていました



母「お帰り~暑くて疲れたなぁ」

息子「うん」

母「何か食べた?」

息子「駅でうどん食べた」

母「うどん食べたんや~(ラーメン好きの息子にしては珍しいナ)」

息子「お昼はラーメン食べた」

(あっ!やっぱり食べてるね!!)

母「ラーメンとうどん食べたんやね、チャージは出来た?」

息子「うん、3千円チャージした」

(おぉ、上出来や)

母「そうかぁ、チャージ出来たんやね



それから少しして唐突に

息子「僕の声聞こえにくい?」

母「・・・(急に何?)う、うん、そうねぇ・・・・誰かに言われたの?」

息子「友だちに、えっ?えっ??って何回も何回も言われて・・」

母「友だちに何度も聞き返されたんや~!・・確かに聞こえにくいね

お母さんも前は聞こえないってよく言ってたけどね・・

言うと怒るから最近は言わなかったけどね」


息子は話しながら自分の声の大きさを確認するように

同じことを何度か言い直していましたが

声を大きくすると怒鳴っているように聞こえます


母「意識して声を大きくするだけだとキツク聞こえるかもね

声の大きさも勿論あるけど

声自体が声変わりでとても低くなったことがあるから

昔の感覚でしゃべっても高い声と低い声じゃ聞こえ方が違うのよね

はっきりしゃべるように意識することでも

伝わり方は随分違うと思うよ」

息子「うん」そしてボリュームを上げて再度「うん!」

いろいろ試して模索している様子

友だちに随分言われたようで、応えてるんだぁ



今日一日でそんな大切な事学んで来たんだね


オープンキャンパスでの内容は知らないけれど

自分の話声が周りの人にどれほど聞き取りにくいものかを

しっかり受け止めて考えることが出来たね


今までどれほど伝えても

聞く耳は持たなかったこと



お母さんなんてあなたの口から出る言葉は

4割くらいしか聞き取れていないんだよ

残る6割を声のトーンと表情で理解してるんだよ・・まったく・・



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プロフィール

Author:くるみ みるく
小5の終わりから始まった体調不良、そして不登校。
学校に行くというあたりまえに思っていたことが、これほど大変なことだったとは・・・。
復学支援をうけ、もう1度歩き始めた子どもを応援して行くために親はどう接していくのがよいのでしょうか。
学び続けることで見えてくるものは何でしょうか。

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